Studioフォーム完全ガイド!作り方からカスタマイズ、活用事例まで徹底解説

Webサイトを運営する上で、ユーザーからの問い合わせ窓口やアンケート収集、イベントの申し込み受付など、「フォーム」の役割は非常に重要です。しかし、フォームの実装には専門知識が必要だったり、デザインの調整が難しかったりすることも少なくありません。

この記事では、ノーコードWebサイト制作ツール「Studio」に搭載されている「Studioフォーム」機能について、その魅力から基本的な作り方、応用的なカスタマイズ方法、そして実際の活用事例までを網羅的に解説します。

「Studio」は、コードを書かずに直感的な操作でプロフェッショナルなWebサイトをデザイン・公開できるツールです。その中でも「Studioフォーム」は、特別な知識がなくても簡単に高機能なフォームを作成し、Webサイトに組み込むことができる強力な機能です。この記事を読めば、あなたもStudioフォームを使いこなし、Webサイトのコミュニケーションを活性化させるための一歩を踏み出せるはずです。

目次

Studioフォームの主な利点と注意点

Studioフォームを導入する際には、その利便性の高い側面と、留意すべき点を把握しておくことが重要です。

利点:直感的な操作性と高いデザイン自由度

Studioフォームが持つ最大の利点の一つは、専門知識がなくても直感的な操作で誰でも簡単にフォームを作成できることです。HTMLやCSSといったコードの知識は一切不要で、ドラッグ&ドロップを中心としたインターフェースにより、視覚的にフォームを組み立てていくことができます。

加えて、デザインの自由度が非常に高い点も特筆すべきでしょう。Studioが本来持つ強力なデザイン編集機能をフォーム作成にもそのまま活かせるため、フォームの見た目をWebサイト全体のデザインテイストに完璧に調和させることが可能です。フォントの種類や色、要素の配置、余白の調整など、細部にわたるカスタマイズが実現できます。

その他にも、テキスト入力欄、メールアドレス、チェックボックス、ドロップダウンリストといった基本的なフォーム項目は一通り網羅しており、多様な用途に対応可能です。フォーム送信者への自動返信メール設定や、収集したデータをGoogleスプレッドシートへ容易に連携できる機能も標準で備わっており、運用面での利便性も高いと言えます。さらに、GoogleのreCAPTCHAを利用したスパム対策も簡単に導入できるため、セキュリティ面でも安心です。

注意点:複雑な機能への対応と利用制限

一方で、いくつかの注意点も存在します。例えば、「前の質問の回答によって次の質問内容を動的に変更する」といった高度な条件分岐ロジックを持つ複雑なフォームの作成は、Studioフォーム単体では難しい場合があります。

また、ファイルアップロード機能を利用する際にアップロードできるファイルの数やサイズ、あるいは一部の非常に高度なカスタマイズや特殊な機能については、利用できる範囲に一定の制限が設けられていることもあります。2025年5月現在の情報として、フォーム内で直接決済を完了させるような支払い機能は標準では搭載されていません。

これらの特性を理解し、ご自身のWebサイトで実現したいフォームの要件と照らし合わせながら、Studioフォームの活用を検討することが推奨されます。

Studioフォームの基本的な作成手順

それでは、実際にStudioフォームを作成する具体的な手順をステップごとに解説していきます。ここでは、一般的なお問い合わせフォームの作成を例に進めます。

ステップ1:エディタでのページ選択とフォーム配置

まず、Studioにログインし、対象となるプロジェクトの編集画面(エディタ)を開きます。次に、サイト内のどのページにフォームを設置するかを決定し、そのページを選択してください。 選択後、画面左側にある「追加」パネル(+マークのアイコン)を開き、「フォーム」セクションから基本的な「フォームブロック」などのパーツを、ページ上の任意の位置へドラッグ&ドロップで配置します。

  • (ここにStudioエディタのページ選択とフォーム配置画面のスクリーンショットを挿入するイメージです)

ステップ2:フォームパーツの選択と追加

最初に配置した「フォームブロック」には、通常、名前、メールアドレス、メッセージ入力欄、送信ボタンがセットで含まれています。これに加えて、一行または複数行のテキスト入力欄、電話番号専用の入力欄、複数選択が可能なチェックボックス、一つだけ選択肢を選べるラジオボタン、リストから項目を選択するドロップダウン、そしてファイルアップロードといった、目的に応じた様々なフォーム入力欄パーツを「追加」パネルから選び、フォーム内に追加していくことができます。

  • (ここに「追加」パネルから各種フォームパーツを選択・追加しているスクリーンショットを挿入するイメージです)

ステップ3:レイアウトと詳細デザインの調整

配置したフォームブロック全体や個々の入力欄を選択すると、画面右側に表示されるスタイルパネルで詳細なデザイン設定が行えます。ここでは、フォーム要素の幅や高さ、要素間のマージン(外側の余白)、要素内部のパディング(内側の余白)を調整して、全体のレイアウトを整えます。 フォーム全体の背景色や、各入力欄の枠線の色・太さ・角丸といった視覚的なスタイルも自由に設定可能です。さらに、項目名であるラベルや入力される文字のフォントファミリー、サイズ、色、太さ、そして入力欄にあらかじめ薄く表示しておくプレースホルダーテキスト(例:「お名前をご入力ください」)も、ここで細かくカスタマイズしていきましょう。

  • (ここにフォームのデザイン(配置、色、フォントなど)を調整しているスクリーンショットを挿入するイメージです)

ステップ4:各フォーム項目の詳細設定

それぞれの入力欄を選択した状態で、右側の設定パネルから詳細な属性を設定します。「お名前」「メールアドレス」といった項目名を編集するのはもちろんのこと、ユーザーに必ず入力してほしい項目については「必須(Required)」のトグルをオンにします。これにより、未入力のまま送信しようとするとエラーメッセージが表示されるようになります。 また、電話番号や数値など、特定の入力形式を指定することも可能です。フォーム送信時にサーバー側でデータを識別するための重要な「name属性」もここで確認・編集できますが、通常はStudioが自動で適切に設定してくれます。

ステップ5:送信ボタンのカスタマイズと送信後のアクション設定

フォームの最後に配置される送信ボタンも、テキストの文言やデザインを自由に変更できます。ボタンのテキストを「送信する」「内容を確認して問い合わせる」など、ユーザーにとって分かりやすく、行動を促すような文言に調整しましょう。 さらに重要なのが、フォーム送信が完了した後にユーザーにどのようなアクションを表示するかという設定です。その場で「お問い合わせありがとうございました。」のような完了メッセージを表示するか、あるいは事前に作成しておいた専用のサンクスページ(送信完了ページ)へ自動的に遷移させるかを選択できます。

  • (ここに送信ボタンのテキスト変更や送信後アクション設定画面のスクリーンショットを挿入するイメージです)

ステップ6:フォームデータの送信先設定

ユーザーがフォームから送信したデータを受け取る方法を設定します。Studioプロジェクトの設定画面内にある「フォーム」タブを開き、通知を受け取りたいメールアドレスを登録します。複数のメールアドレスを設定することも可能です。 同じく「フォーム」タブからは、お使いのGoogleアカウントと連携させることで、送信されたフォームデータを指定したGoogleスプレッドシートに自動で記録・蓄積していく設定も行えます。これはデータの管理や後々の分析に非常に便利なので、ぜひ活用したい機能です。

ステップ7:自動返信メールの設定

フォームを送信してくれたユーザーに対して、受付完了を伝える自動返信メールを送信する設定も行うことができます。これにより、ユーザーは自身の送信が正常に処理されたことを確認でき、安心感を得られます。 Studioプロジェクトの設定画面内「フォーム」タブで、フォームごとに自動返信メールの件名や本文を自由にカスタマイズできます。本文内には、{{項目名}} のように、フォームに入力された内容を動的に差し込むことも可能です。(例: {{お名前}} 様、この度は、お問い合わせいただき誠にありがとうございます。

ステップ8:スパム対策(reCAPTCHA)の導入

Webフォームには残念ながらボットによる迷惑なスパム投稿がつきものですが、これを防ぐためにGoogleのreCAPTCHAを設定することを強く推奨します。 Studioプロジェクトの設定画面内「外部連携」タブから、Google reCAPTCHAのサイトキーとシークレットキー(事前にGoogle reCAPTCHAのサイトで取得しておく必要があります)を設定することで、フォームにreCAPTCHA認証を簡単に追加し、スパム送信を効果的に抑制できます。

ステップ9:最終確認とサイト公開

ここまでの全ての設定が完了したら、サイトを公開する前に、必ずプレビュー機能を使って実際の表示を入念に確認し、自分自身でフォームを送信してみてテスト運用を行いましょう。 具体的には、各入力項目が意図した通りに動作するか、必須項目設定が正しく機能しているか、送信ボタンを押した後に設定した通りの挙動(完了メッセージの表示やサンクスページへのリダイレクト)をするか、設定したメールアドレスに通知が確実に届くか、Googleスプレッドシートにデータが正確に記録されるか、そして自動返信メールが送信されるか(設定した場合)といった点を一つ一つ確認します。これらのテストで問題がないことを確認できたら、いよいよサイトを公開しましょう。

Studioフォームの応用テクニックとカスタマイズ

基本的なフォーム作成に慣れてきたら、さらに一歩進んだ使い方やカスタマイズに挑戦し、よりユーザーフレンドリーで効果的なフォームを目指しましょう。

デザインの高度な調整

Studioが持つ柔軟なデザイン機能を最大限に活かせば、フォームの見た目をさらに洗練させ、ブランドイメージに合致させることができます。例えば、送信ボタンにマウスカーソルを合わせた際に色や形が変化するホバーエフェクトを追加することで、ユーザーのアクションを視覚的にフィードバックできます。アイコンをボタン内に組み込んだり、グラデーションカラーを適用したりして、より魅力的でクリックしたくなるようなボタンデザインを追求することも可能です。また、必須項目が未入力だった場合などに表示されるエラーメッセージのデザインも、サイト全体のトーン&マナーに合わせて調整することで、細部までこだわったユーザー体験を提供できます。

より実践的なフォームの構築例

複数のフォーム項目を戦略的に組み合わせることで、より具体的かつ実践的なニーズに応じたフォームを作成できます。例えば「お問い合わせフォーム」では、基本的な氏名やメールアドレス、問い合わせ内容の入力欄に加え、問い合わせの種別(例:製品について、サービスについて、採用について、その他など)をドロップダウンリストで選択させる形式にすることで、その後の社内での対応部署への振り分けや優先順位付けをスムーズに行えます。「資料請求フォーム」であれば、会社名や部署名、役職、電話番号といった、より詳細な情報を取得するための項目を適切に設けることで、見込み客の質を高め、営業活動に繋げやすくなるでしょう。イベントやセミナーの「申し込みフォーム」では、参加希望日時、参加人数、簡単なアンケート項目(例:このイベントを何で知りましたか?)などを盛り込むことで、参加者管理やマーケティング分析に役立つデータを収集できます。

複雑なフォーム要件へのアプローチ

前述の通り、Studioフォーム単体では、一つのフォーム内でユーザーの回答に応じて表示項目が動的に変化するような、非常に複雑な条件分岐ロジックを組むことは得意ではありません。しかし、工夫次第で同様の目的を達成できるケースもあります。例えば、最初から目的や対象者に応じて内容の異なる複数のフォームを個別のページに用意し、適切な導線でユーザーを誘導する方法があります。あるいは、ユーザーに自由な形式で詳細情報を記入してもらうための「備考欄」や「詳細入力エリア」を有効活用することも一つの手です。また、ラジオボタンやドロップダウンで大まかな選択肢を提示し、それに関する補足情報をテキストエリアに具体的に記入してもらうといった運用も考えられます。

外部サービスとの連携による機能拡張

より高度な自動化処理や、他の業務アプリケーションとのシームレスなデータ連携を実現したい場合は、Zapier(ザピアー)やMake(旧Integromat)のような外部連携サービス(iPaaS)を利用することも視野に入れると良いでしょう。これらのサービスを介することで、例えば「Studioフォームから新しい送信があったら、自動的にSlackの特定チャンネルに通知メッセージを送る」「送信された顧客情報を自社で利用しているCRM(顧客管理システム)ツールに自動で登録・更新する」といった、より効率的で高度なワークフローを構築できる可能性があります。ただし、これらの連携設定には、それぞれの外部連携サービス側での操作や知識も必要になる点を留意しておきましょう。

Studioフォームの具体的な活用シーン

Studioフォームは、その手軽さとデザインの自由度の高さから、多種多様なWebサイトで効果的に活用されています。その目的も、単純な連絡窓口からリード獲得、イベント運営まで幅広いです。

例えば、**企業の公式ウェブサイト(コーポレートサイト)**においては、「お問い合わせ」フォームは顧客や取引先、株主などからの重要なコミュニケーション窓口として機能します。また、「採用情報」ページに設置された応募フォームは、採用プロセスの入り口として、応募者情報の効率的な収集と管理を実現します。「製品カタログ」や「サービス紹介」に関連して「資料請求」フォームを設置することで、興味関心を持つ見込み客の情報を獲得し、その後の営業活動へと繋げているケースも数多く見られます。

特定のサービスや製品を紹介する専門サイトにおいては、より具体的なニーズに対応したフォームが活用されます。サービス内容に関する詳細な質問を受け付ける「個別相談申し込み」フォームや、具体的な案件に基づいた「見積もり依頼」フォームなどが代表的です。製品の「無料デモ申し込み」フォームや「トライアルアカウント発行」フォームを設置し、ユーザーに実際に製品を体験してもらう機会を提供することも、コンバージョン率向上に効果的です。

その他にも、ECサイト(オンラインストア)における商品に関する個別の質問受付や返品・交換依頼の窓口として、また、クリエイターやフリーランスのポートフォリオサイトにおける仕事の依頼や協業相談を受け付けるためのコンタクトフォームとしてなど、その活用範囲は多岐にわたります。イベントやセミナーの告知サイトでは参加申し込みや事前アンケートの収集に、個人が運営するブログや情報メディアサイトでは読者からのフィードバックや記事リクエストを募る手段として、Studioフォームは柔軟にその役割を果たします。

重要なのは、運用するWebサイトの具体的な目的とターゲットユーザー層を明確にし、それに合わせてフォームのデザイン、項目、そして設置場所を最適化することです。

Studioフォーム利用時の疑問点と解決策

Studioフォームを利用する中で、いくつか疑問点が出てくるかもしれません。ここでは、代表的な質問とその回答をご紹介します。

Q. フォームの回答はどこで確認できますか?

A. 設定した通知メールアドレスで受信するほか、Studioのプロジェクト設定画面内「フォーム」タブで確認できます。また、Googleスプレッドシートと連携していれば、そちらでもリアルタイムに確認・管理が可能です。

Q. 添付ファイル機能は使えますか?ファイルサイズの上限は?

A. はい、ファイルアップロード項目を追加することで利用できます。アップロードできるファイルの種類やサイズには制限がある場合がありますので、Studioのヘルプドキュメント等で最新情報をご確認ください。

Q. サンクスページは設定できますか?

A. はい、設定できます。フォームの送信ボタンの設定で「別ページへリダイレクト」を選択し、事前に作成したサンクスページのURLを指定してください。

Q. フォームのデザインテンプレートはありますか?

A. Studioでは、特定の「フォームテンプレート」という形ではなく、基本的なフォームブロックを配置した後、自由にデザインをカスタマイズしていくスタイルです。サイト全体のデザインに合わせて柔軟に作成できます。

Q. 送信完了メッセージはカスタマイズできますか?

A. はい、送信ボタンの設定で「メッセージを表示」を選択した場合、表示されるメッセージ内容を自由に編集できます。

Q. フォームに入力された個人情報の取り扱いはどうすれば良いですか?

A. フォームで個人情報を取得する場合は、プライバシーポリシーを明記し、その取り扱いについてユーザーに同意を得ることが重要です。フォームの近くにプライバシーポリシーへのリンクを設置しましょう。Studioで作成したプライバシーポリシーページへのリンクを設置するのが一般的です。

Q. フォームでエラーが出る場合の対処法は?

A. まずは各フォーム項目の設定(特にname属性が重複していないか、必須設定が適切かなど)を見直してください。また、Studioのヘルプドキュメントを参照したり、コミュニティで質問したりするのも有効です。それでも解決しない場合は、Studioのサポートに問い合わせることを検討しましょう。

まとめ:StudioフォームでWebサイトの可能性を広げよう

今回は、ノーコードWebサイト制作ツール「Studio」が提供するフォーム機能について、その基本的な使い方から一歩進んだ応用テクニック、実際の活用事例、そして利用時の疑問点に至るまで、幅広く解説しました。

Studioフォームを効果的に活用すれば、プログラミングの専門知識がなくても、デザイン性の高いお問い合わせフォームやアンケートフォームなどを簡単に作成し、Webサイトの目的達成に大きく貢献できます。自動返信メールやGoogleスプレッドシート連携などの便利な機能も、ぜひ活用してみてください。

この記事が、あなたのWebサイト運営におけるStudioフォーム活用のヒントとなれば幸いです。まずは実際に触ってみて、その手軽さと多機能性を体験してみてください。